2026年7月7日から、当社は自社のマーケティング業務を 19体のAIエージェント に任せています。企画・調査・執筆・図版作成・SEO・分析・点検・検証を分担させ、定期ジョブ17本が日次・週次・月次で動きます。

人が毎回指示を出しているわけではありません。決めた時刻にAIが自分で始めて、作って、点検して、公開します。人が出るのは判断が要るときだけです。

3か月半やってわかったのは、難しいのは「作る」部分ではないということでした。AIは万能ではありません。見張る仕組みが無ければ、任せた業務は派手に壊れるのではなく、気づかないうちに静かに止まります。

本記事では、当社で実際に止まった2回と、その直し方を公開します。

3か月半で出たもの

実測
稼働期間 2026年7月7日〜(約3か月半)
公開した記事 79本(当社サイト33本+運営するPM実務ポータル46本)
公開した用語解説 126項目
作成した配布資料 6本
直近28日の検索表示回数 12,845回(当社サイト8,902回+ポータル3,943回)

要員は増やしていません。検索表示回数は Google Search Console の実測値で、期間は2026年9月22日〜10月19日です(2026年10月22日取得)。

新しく立ち上げたポータル側は、28日ごとに区切るとこう動きました。

28日の区切り 検索表示 検索クリック
7月28日〜8月24日 203 10
8月25日〜9月21日 1,843 50
9月22日〜10月19日 3,943 89

止まるのは「作る」ではなく「届ける」と「気づく」

3か月半のあいだに、出す工程で2回止まりました。どちらも作る部分は正常に動いていて、止まったことに誰も気づかない時間が続きました。

作る 動いていた 点検する 動いていた 届ける ここで止まった 気づく ここが抜けていた 作る工程は3か月半ほぼ止まらなかった。止まったのは、出す工程と、止まったことを知らせる工程だった。

1回目:作ったのに、公開されないまま残っていた

記事8本ぶんの修正が、公開されないまま作業用のフォルダに残っていました。

原因は、文章を直すAIが、隔離された作業用のコピーではなく本体のファイルに書いてしまったことです。これを検知した安全装置が「検証を通っていないので反映しない」と判断して止めました。この判断は正しいものです。

問題はその後でした。この出来事は「今晩は成果ゼロ」として記録され、成果ゼロが3晩続かないと通知が出ない設定だったため、1晩では誰にも届きませんでした。人が作業フォルダの状態を見るまで、誰も気づけない状態でした。

直したのは2点です。

  • 検証を通っていないファイルが残ったときは、連続回数を待たずその場で知らせる(「今晩は成果ゼロ」とは別の出来事として扱う)
  • 作られたのに公開されていないものが無いかを、毎朝の点検で実際のファイルを見て確かめる

消す処理は入れていません。中身が使える仕事のこともあるためです。実際この8本は、読んだうえでそのまま公開しました。

2回目:送ったつもりが、18時間届いていなかった

商談でお見せするページの更新データが、18時間届いていませんでした。

原因は、送信が「他の更新が先に入っているため」として弾かれたことです。失敗したこと自体は記録に残っていましたが、その記録はログファイルに出力されるだけで、誰も読まない場所でした。

直したのは、弾かれたら先に入っている更新に合わせて自動で送り直し、それでも駄目なら知らせるようにしたことです。

共通しているのは「作る」が動いていたこと

2回とも、記事を作る部分も、品質を点検する部分も正常に動いていました。抜けていたのは、出す工程と、止まったことに気づく工程です。

AIに業務を任せると、たいてい最初の1か月は動きます。そこで「うまくいった」と判断してしまうのが落とし穴です。見張る仕組みを持たないまま運用に入ると、止まったこと自体に気づけません。

当社が3か月半でいちばん手をかけたのは、作る部分ではなく壊れを見つけて直す部分でした。AIを業務に入れるときに本当に要るのは、賢いモデルではなく、止まったと分かる仕組みと、それを直し続ける運用です。

うまくいったこと、いかなかったこと

うまくいったこと

  • 形が決まっている書き物は機械に寄せられる。定型の文書作成は3か月半、人の手を介さずに回っている
  • 蓄積から探して引く作業は機械のほうが速い。126項目の用語体系を横断して、必要な箇所を自分で引いてくる
  • 形式の点検は、人がやるより漏れが少ない

うまくいかなかったこと

  • 何を書くか決める判断は、人が残さないと方向がずれる
  • 点検の仕組みが無い自動化は3か月もたない
  • 日報のチェックは、AIの待ち時間を含めると人がやるのと変わりませんでした。すべての業務が機械に向くわけではありません
  • 売上への効果は検証中です。 検索での露出は増えましたが、受注への結びつきは当社も測っている途中です

どこを機械に任せ、どこを人に残すか

当社がご提供しているのは、AIツールの導入ではありません。御社の業務のうち、どれを機械に任せ、どれを人に残すかを分けることです。

上に書いたとおり、任せられる業務と任せられない業務があります。その線引きを、机上の整理ではなく自社で3か月半やって引いた基準で、ご一緒に引きます。支援の内容はAIエージェント導入のコンサルティングに、検討の進め方はAIエージェント導入コンサルの選び方にまとめています。ご相談はお問い合わせからどうぞ。

社内に散らばった業務を先に見えるようにしてから着手する考え方は、AI導入の前にやるべき業務の可視化に書いています。

PM・PMO として実務に就いている方へ。当社はお客様との契約単価をご本人にお見せしたうえで、その 80% を還元する給与体系で、PM・PMO・上流SE を募集しています。制度の中身と対象は還元率型の募集(PM・PMO・上流SE)に書いています。

まとめ

  • 自社のマーケティング業務を2026年7月から19体のAIエージェントに任せ、記事79本・用語解説126項目を人を増やさずに公開した
  • 3か月半で2回止まった。どちらも「作る」工程ではなく、「届ける」工程と「気づく」工程だった
  • AIは万能ではない。 見張る仕組みが無い自動化は、気づかないうちに止まる。最初の1か月は動くので、そこで判断すると見誤る
  • 任せられない業務もある。日報のチェックは人がやるのと変わらなかった
  • 売上への効果は当社も測っている途中で、言い切れる段階ではない